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バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎 感想

サバクトビバッタというバッタの研究をしている研究者の研究日記です。

 

著者は、モーリタニアに大量発生するサバクトビバッタを減らす研究をしています。大量発生するサバクトビバッタは農作物に甚大な被害を与えます。この被害を抑えるために著者がモーリタニアへ赴き、どのようにしてサバクトビバッタと向き合ってきたかをまとめた内容になっています。

 

 

 

 ちなみに、バッタとイナゴは相変異を示すか示さないかで区別されている。相変異を示すものがバッタ、示さないものがイナゴと呼ばれる。日本では、オンブバッタやショウリョウバッタなどと呼ばれるが、厳密にはイナゴの仲間である。

 

相変異とは、単独で行動する個体が群れを成して活発に動き回るようになることを指します。普段は一匹で行動しているバッタが集まると、集団で行動するようになるらしいです。集団化したバッタが害虫化することによって人間に被害をもたらすそうです。

 

バッタとイナゴの違いって見た目ではわからないんですね。勉強になりました。

 

 

 

著者が砂漠で毒サソリに刺されて死にかける場面があるのですが、モーリタニアではいまだにお祈りによって毒を治療する文化があるみたいです。薬を使わないでのんきにお祈りするなんて日本では考えられないですね。痛みに苦しんでいる著者がとてもかわいそうでした。

 

他にも、入国して早々に詐欺にあったり、アシスタントに支払う給料を吊り上げられたり、部屋にダニが大量発生したり、バッタがいなくなってしまって研究ができなくなったり、かわいそうなことが多々起きます。

 

それでも著者は持ち前の冒険心と頼れる上司の力で研究に励みます。苦しみを乗り越えて、大学から研究費をもらえることが決まった場面は、読んでいて私もうれしくなりました。

 

山あり谷ありの研究日記、楽しませてもらいました。