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読んでいない本について堂々と語る方法 ピエールバイヤール 感想

とてもためになる本でした。私が読んだ本の中でTOP10に入る面白い内容でした。

 

著者は本を読む必要はないと主張しています。

 

本を読むことは、本を読まないことと表裏一体である。~ある本を手に取り、それを開くということは、それとは別の本を手に取らず、開きもしないということと同時的である。読む行為はつねに「読まない行為」を裏に隠しているのだ。

 

教養ある人間が知ろうとつとめるべきは、さまざまな書物のあいだの「連絡」や「接続」であって、個別の書物ではない。~教養の領域では、さまざまな思想のあいだの関係は、個々の思想そのものよりもはるかに重要だということになる。

 

読んでいない本について著者自身の前でコメントしなければならない状況にある人間に与えられるアドバイスはただひとつ、とにかく褒めること、そして細部には立ち入らないこと、これである。~作家がもっぱら望んでいるのは、作品が気に入ったと、できるだけあいまいな表現で言ってもらうことなのである。

 

本を読んでいるか読んでいないかを判別するのは難しいですよね。読んだことのある本でも忘れてしまっているものもあるし、読んでいない本でも誰かから内容を聞いていたりすれば読んだことと等しい場合もあるだろうし。。。

 

著者は本を読むことよりも本の関係性を知ることのほうが重要だと言っています。なので本は読まないほうがいいとも言っています。これは面白い意見だなと思いました。

 

たしかに読んだことのない本でも関係性さえわかっていれば人に薦めることができますし、紹介することもできます。実際に本を読んでいても内容をうまく説明できないことも多々あります。

 

起業家やインフルエンサーが本は読まなくていいなんて言っても誰も相手にしないですが、この主張をしているのは大学教授なので、権威が違います。数多くの本を読んできたであろう大学教授がこんな主張をするのは非常に興味深いです。

 

本は読まなくていいなんて言われたら、読みたくなくなってしまいますね。まあ私は本を読むのが好きなので読み続けますが。

 

本が好きな人こそ読むべき本だと思いました。とても面白かったです。