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だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 水谷竹秀 感想

タイの首都であるバンコクにあるコールセンターで働いている人々を取材したノンフィクション本です。

 

本によると、コールセンターは日本語ができれば誰でも就職できる職場で、タイ語がわからないしこれといった資格もない人がとりあえず働く場所だそうです。

 

働いている職場の人々はコールセンターの仕事を底辺の仕事だと思っていて、あまり周りに職業を言いたくないと考えているようです。

 

本には様々な理由でタイに来て、様々な理由でコールセンターで働いている人がいましたが、人生がうまくいっている人はあまりいないようでした。人生がうまくいっているような人はコールセンターでは働かないみたいですね。

 

ただし簡単に休みがとれたりするみたいなので、働きやすい職場ではあるみたいです。それ以外のメリットはないようですが。。。

 

タイにはゴーゴーボーイという男性版風俗のようなものがあり、男性を金で買う文化があるそうです。それにはまってしまう女性が少なからずいるようで、それでタイに来て人生がダメになるパターンがあるそうです。風俗にはまるのは怖いですね。日本にもホストにはまって人生が狂ってしまう人がいますが、タイは日本のホストよりも安い値段で男性と遊べる(本番行為できる)ようなので、はまってしまうそうです。

 

本の中で気になった箇所があったので引用します。

 

 数年前、ドキュメンタリー番組の制作に協力した時のことだが、私が探してきた困窮邦人についてディレクターから「その人は同情できる方ですか?」と尋ねられ、違和感を覚えた。同情に値しない取材対象者は番組で取り扱わないということである。そうした意図で作られた番組が果たして、どこまで本質に迫っているだろうか。

 

テレビ側としては、同情を得られるような人を取材したほうが視聴率がとれるという目論見があるのでしょう。たしかに何の目的もなく努力もせず非正規やフリーターで生活してきた挙句に、適当に海外へ移住して生活に困っているような人を見ても、嫌悪感を感じてしまうでしょう。頑張ったけどうまくいかず仕方なく海外で生活している。そういう人をテレビの視聴者も見たいでしょう。ドキュメンタリー番組とはいっても視聴率は大事なので、同情できる人かどうかは大事だと私は思います。本質には迫っていないでしょうが、テレビなんてそんなものではないでしょうか。

 

本当のことを知りたかったらネットで調べるなり本を読むなり人に聞くなりすればいいと思います。テレビは娯楽だと思うので、本質かどうかなんてどうでもいいと思います。私はテレビで見ることができないディープな内容が知りたくて本を読んでいるので、役割分担でいいのではないでしょうか。テレビはテレビ、本には本の特徴があるということで。

 

自分が普通に生活していたら出会わないような人の人生を知れるのは面白いです。これからも本を読んでいきたいです。