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フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 高橋昌一郎 感想

有名な天才科学者ノイマンの人生について書かれた本です。

 

ノイマンがいかに天才だったかがよくわかる内容でした。

 

 

ベルリン大学数学科では、博士学位の口頭試問の際に、その大学院生の専門分野の「未解決問題」を見せて試すという慣習があった。もし院生が考え始めたら「不可」で、考える間もなく「この問題は解けません」と答えたら「優」だというわけである。ところが、口頭試問を見ていたノイマンは、専門外の未解決問題を解いてしまっ たという。

 

天才すぎますね。未解決問題をその場で解いてしまうなんてどんな頭の構造をしているのでしょうか。

 

著者はノイマンのことを「科学優先主義」「非人道主義」「庶務主義」と表現しています。人当たりのよい天才科学者のように見えるが内面は「人間のフリをした悪魔」と形容しています。

 

本を読んだ印象としては、ノイマンが悪魔かどうかはよくわかりませんでした。人当たりがいいというのはわかりましたが、実際のところ彼の哲学がどのようなものだったのかはよくわかりませんでした。著者はノイマンを研究していくなかで悪魔のような印象を持ったのだと思いますが、本を読んだ限りではあまり悪魔の要素はなかったように思います。

 

原爆を製造していたり原爆を日本に落とすことに対して前向きだったりするのは悪魔の発想かもしれませんが、私はそういう時代だったことを考慮すると悪魔だという印象は持ちませんでした。比較的一般的な思想の持ち主だったのではないかと思いました。

 

ノイマンの天才エピソードは常軌を逸していると思いましたが、彼の哲学が人間離れした悪魔だったかと言われると疑問です。

 

著者が本にまとめた内容以外のエピソードからそういった印象を受けるようなものがあるのかもしれませんが、本を読んだ限りでは悪魔の印象はありませんでした。むしろ天才科学者にしては人当たりの良い常識人のように思いました。

 

 

 

ノイマンの天才っぷりがわかる面白い本でした。読んでよかったです。