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精神障害者(統合失調症)の雑記ブログ

夜しか開かない精神科診療所 片上徹也 感想

著者は大阪ミナミで精神科診療所をやっているお医者さんです。この本は著者の生い立ちや、診療所を受診する患者さんのエピソードをまとめたものになっています。後半には精神病に関する解説も入っています。


精神科のお医者さんなので落ち着いた人なのだろうと勝手に思っていましたが、本を読んでみるとどうやら違うようで、笑うことが好きで運動も良くする活発な方みたいです。日中は兵庫県の病院に勤務して、夜は大阪へ移動して診療所をやっているそうです。とてもタフですね。そんな忙しい生活私にはとてもマネできません。うらやましい。


診療所では笑いを大切にしているそうで、なるべく楽しい雰囲気になるように心がけていると書いてありました。やっぱり関西人は笑いの文化が根付いているのでしょうね。楽しい雰囲気で仕事ができれば職場の人も自分自身も気持ちいいだろうと思います。


診療所を受診する人々のエピソードを読んでいて、受診する人の多くは症状がだいぶ悪くて、薬の力を借りなければ治らない状態になっているケースが多いのではないかと思いました。幼少期からの親子関係の積み重ねだったり、職場での仕事のストレスが解消できないまま生活をし続けてしまったり。精神科に頼ったり精神科へ行くことに対してハードルがあるように思いました。もっと早くから精神科に頼ることができればいいのになと思います。


外国人が精神科を受診する場合は日本と違ってもっと軽度な状態(少し体調が悪いかもぐらいの状態)で受診することが多いようです。軽度な状態から治療を開始するほうが治りやすいので、日本人ももっと精神科が身近になればいいと思います。著者も同じことを本の中で言っていました。


本を読んでいて初めて知ったのが「感応精神病」です。パートナーがうつ病になると引っ張られて自分もうつ病になってしまうというものです。こんなことがあるのを始めて知りました。身近に精神病の人がいるとうつってしまうことがあるのですね。精神病ってこわいです。


読み物として面白かったですが、思っていたほど心揺さぶられるような内容ではなかったです。夜しか開いていない診療所ということでもっと激しい内容を期待していました。。。まあ守秘義務があるので仕方ないとは思いますが。